本:痛くない死に方

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ずっと読みたいなと思っていた本。

なんですが・・・・

こちらも残念かな・・

なんか、「?」とおもう部分が多かった。

例えば心不全で救急車を呼ぶと点滴をされちゃうとか。

心不全だったらまずは利尿剤が必要じゃない?

 

餅を喉に詰まらせたおばあちゃんに対し、救急車を呼んだがために救命はできたけどそのとは老人病院送りになったとか。そのままにしておけば死んだのにとか。

 

なんか、この先生、家で死ぬのがいいみたいに思っているのかな?

そりゃ、病院もない、救急体制もない、そんな江戸時代みたいな状況ならそうだろうけど、救急体制があるこの世の中で見捨てるようなことができる家族はあまりいないとおもう。

きっと、そんな家族を馬鹿だなと思っているんだろうなという空気がひしひしと伝わってくる。

 

この先生は自分の家族が同じように餅をつまらせ、自分でとれなかったらどうするんだろうか?見殺しにするんだろうか?

 

このあたりの読んだ感想の感覚はタイトルに現れているとおもう。

 

「痛くない死に方」

 

この痛くないって、死ぬ人がだよね。

いつ、痛くないの?

 

本に腹水胸水は抜いてはいけないとあるけど、じゃ、それらによる「苦しみ」は耐えるんだよね?あとわずかな命を耐えて暮らせというんだよね?

死ぬ瞬間まで苦しんで、最後、延命の痛みからは解放するということなんだよね?

なんか、どっちもどっち、結局、苦しいし、痛いんじゃんって思った。

 

私は在宅で看取るのがいいのか、病院がいいのかは本人と家族の問題だと思っている。

どっちがいいなんて言えないとおもう。

 

「痛くない死に方」ではなく、「自然な死に方」とか「無駄な治療のない死に方」ならいいと思う。

 

この本で指摘されていた、在宅医療の緩和ケアの医師の問題をもっと表にだしてほしいとおもう。大橋巨泉さんの在宅医師が皮膚科の先生だったというところ。

在宅医療をすすめるなら、国は医者にそれなりの認定というか経験というかを求めてほしいとおもう。

病院なら色々な先生・看護師がいるが、在宅になると医者はすごい力を患者に対し持つことになる。信頼できるかどうかわからない上に、選べるほどの在宅医がいるわけでもない地域のほうがおおいだろう。

 

父を老健に入れようとおもったとき、老健の人から「うちの先生は整形外科なので、内科疾患がこれだけあると診れないと思います。だから他のほうがいいとおもいます」と言われたんだけど、こうやって言ってくれる人に当たるかどうかわからない。

医者だって診れない疾患のほうが多いだろう。

内科専門医は必ず取るとか決まっていればいいけど、外科の先生が外科ができなくなって在宅になったりしているだろうし。(ジャガーさんの夫とかね、そうだったよね)

そのあたり、医者から見てもおかしい部分があるとおもう。

患者からしたらおかしいとさえ気づかない場合もあるだろう。

 

医者の経歴はちゃんと見るようにしているけど、選べなきゃ意味がないわけだし。

 

この先生は先生なりに頑張っているんだろうとはおもうけど、「死」に対しての考え方が私とはちょっと違うなと思った。